英語学習者がつまずきやすいポイントの一つが前置詞です。
英語を話したり書いたりしていると頻繁に中断してしまう・・。
今回は前置詞の中でも使用頻度が高く、意味の幅も広い“for”シリーズの第2弾です。
●「前回のfor例文」は「〜ための」の意味での例文。
●「今回の6つのfor」は「場面に応じた・使い方」を重視した例文です。
『forはこういう時に使うんだ』を豊富な中学英語例文で分かりやすく紹介します。
目次
①for+期間・時間・距離
まずは、「期間・時間・距離」を表す“for”です。
この“for”は時間や距離が「どれくらいの間か」を表す際に使われます。
(私は英語を5年間勉強しています。)
(私はここに3年間住んでいます。)
(私はそこに1週間滞在すると思います。)
(雪が2日間降り続いている。)
(私は昨日2時間テニスをしました。)
(私は昨日1マイル走りました。)
(私は彼のことを10年間知っています。
=私と彼とは10年来の仲です)
“I played tennis yesterday.”で「私は昨日テニスをしました」ということを表し、
テニスをしたのが「どのくらいの間か」を説明するために“for two hours”を使います。
<〜ワンポイント豆知識〜>
ちなみに、みなさんが居酒屋でよく使うであろう「とりあえずビールで!」は英語で、
“I’ll have a beer for now.”といいます。
バーなどでさらっと言えるとカッコイイですね!
②for+場所(〜に向かって)
次は「○○に向かって」を表す“for”です。
実はこの「場所に向かって」を表す“for”、多くの方が毎日のように耳にしている表現なのです。
(私は明日ニューヨークに向けて出発します。)
(彼女は日本へ発ってしまった。)
(その船はサンフランシスコに向かって出港した)
(私はパリ行きの列車に乗りました。)
(そのバスは大阪へ出発した。)
例えば、通勤・通学の電車の中で
“This train is bound for ○○”(この電車は○○行きです)
(“bound”は「〔列車・船・飛行機などが〕~行きの」という意味です)。
というアナウンスを聞いたことがありませんか?
これこそが「○○に向かって」を表す“for”なのです。
次回電車に乗るときは注意して聞いてみてください。
<〜ワンポイント豆知識〜>
最後の例文の「The bus left for Osaka.」は、
「The bus went to Osaka」の場合とは意味が異なるので注意してください。
●“for”の場合には、「バスはある地点を大阪に向けて出発したが、まだ到着していない」
●“to”の場合には、「バスはある地点を大阪に向けて出発し、到着した」
というニュアンスになります。
③for+金額
3つ目は「金額」を表す“for”です。
まずは“I bought ○○”、“I sold ○○”のように「○○を買った/売った」という文章を作り、
その後ろに“for+金額”をつけることで、金額を表すことができます。
(私は1000ドルの小切手を受け取った。)
(このリンゴは6個で1ドルです。)
(私はそれらを500円で買いました。)
(私は時計を5000円で売りました。)
(学生のとき、私は自給950円で働いていました。)
for+金額の注意点
「for+金額」使う際の注意点です。
「for+金額」注意1
「for+金額」は、“buy”や“sell” などの動詞と一緒に使って初めて意味を成します。
「This apple is 100 yen.(このリンゴは100円です)」のように、
「主語+be動詞+金額」の際には“for”は使いません。
「for+金額」注意2
「work for+金額+時間」の形で、「時間当たりいくらで働くか」を表すことができます。
アルバイトの時給について説明する際などに使えますね。
「for+金額」注意3
「1時間ごとに」のように、「~ごとに」と言いたい際には「per」を用いることができます。
「per hour(1時間ごとに)」「per day(1日ごとに)」となります。
「for+金額」と「at+金額」の違い
A・I bought them for 100 yen a piece(私はそれを1個100円で買った)
B・I bought them at 100 yen a piece(私はそれを1個100円で買った)
Bのように“at”を使う場合がありますが、AとBどこが違うのでしょう?
“at”を使う場合は、
「私はそれを(いつもは1個150円だけど)1個100円で買った。」
というニュアンスが含まれます。
この“at”は価格が変動するもの、例えば株を売買した値段を表す際によく使われます。
(私はその株を3000円で(3000円のときに)買いました。)
株の値段は常に変わるもの、などは“at”を使います。
④for+食事
4つ目は「for+食事」です。
2つのパターンに分かれます。
for+食事パターン1:「~のために(出かける)」
1つめは例文の上2つで、「~のために(出かける)」を表す使い方です。
“dinner”や“drink”の「ために」出かける(“go”)というイメージです。
(私たちは今晩食事に出かけます。)
(飲みに行きませんか?)
日本語で「飲みに行く」と言えばお酒を飲みに行くことを意味しますが、
英語でも同様に、
と言えるのは興味深いですね。
for+食事パターン2:「~として(食べる)」
2つめは「~として」を表す使い方です。
(私は普通朝食にはご飯と味噌汁を食べます。)
(私は昼食にラーメンを食べました。)
(あなたは昼食に何を食べたいですか?)
「rice and miso-soup/Ramen」を「“breakfast/lunch”として」食べる、
「“lunch”として」何が食べたいですか?
というイメージです。
⑤for+イベント
5つ目は「for+イベント」です。
この“for”は、以下例文のように
「プレゼントや特別な出来事のために何かを用意する」
というシチュエーションです。
(誕生日には新しい腕時計が欲しいです。)
(クリスマスには新しい自転車が欲しいです。)
(私は彼女の誕生日にダイヤの指輪をあげました。)
・We are going to go on a trip to France for our wedding anniversary.
(私たちは結婚記念日にフランスに旅行に行きます。)
(そのパーティーのために新しいドレスを買いたいです。)
(私たちは緊急事態に備えて食べ物を備蓄するべきである。)
「『~のプレゼントとして・特別な~に』何かを用意する」
と考えると分かりやすいです。
*ちなみに、クリスマスシーズン定番のマライア・キャリーの曲のタイトルも
“All I want for Christmas is you.” 「クリスマスに欲しいのはあなただけ。」ですね。
⑥感謝と謝罪を表す「 for」
最後は感謝と謝罪を表す“for”です。
基本的な形は、「Thank you/ Sorry+ 名詞 or 動名詞」です。
(お手紙どうもありがとうございます。)
(ご清聴ありがとうございました。)
(ご協力ありがとうございます。)
(ご理解いただきありがとうございます。)
(遅れてすいません。)
(ご不便おかけし申し訳ございません。)
(邪魔してすいません、お手数おかけして申し訳ございません。)
最後の例文「Sorry for bothering you.」は、
(お忙しいところ申し訳ございませんが、1つ頼みごとをしてもよろしいでしょうか。)
のように、相手に頼みごとをする際のクッション言葉としても使うことができます。
<〜ワンポイント豆知識〜>
謝罪の“sorry”と“apologize”の違い
“apologize”の方が堅いニュアンスがあります。
友人間で話す場合には“sorry”、
企業のカスタマーサービスなどで使われるのが“apologize”のイメージです。
まとめ
今回紹介したとおり、前置詞“for”には多くの意味・用法があります。
金額、時間、感謝など、英会話をする際に頻繁に使用するフレーズの多くに“for”が使われていることが、今回紹介した例文を通して理解していただけたのではないでしょうか。
これらを迷いなく使えるようになると、ぐっとスムーズに英語を話せるようになるはずです。
何より便利です!
たくさんの例文で、運用能力を定着させましょう!
はじめまして。野原めぐみと申します。英会話講師をやっております。長年指導させていただいている経験から、
「中学英文法」を体感的にまで理解できることが、英会話上達の最短距離!
だと実感しています。
非母国語圏の人間だからこそ分かる、「肝」をズバリ提供できればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
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